湾岸の超高層 2010年9月26日 東京静脈Rクルーズ

I隅田川河口部
隅田川の河口部にでると、2000年の前後10年程度で次々に建設された超高層ビルに周囲をかこまれていることにきづく。
西新宿が超高層ビルの象徴だった時代がおわったあと
あたらしく超高層ビルの枕詞につかわれだした言葉が「湾岸」だ。


ここより南のウォータフロントがその湾岸の超高層が林立するエリア。
湾岸の超高層という言葉の背景には
この地域で大規模再開発にむく広大な空き地が供給され
多くの超高層ビルが建てられた事実があるのはもちろんだ。


しかし、これらの超高層が分布するエリアは西新宿と呼ばれるエリアよりもはるかに大きい。
それなのになぜこれらの超高層は湾岸という漠然とした地域名でまとめられていたのか。


湾岸のエリア内でもよくみれば汐留は西新宿と似たつかわれ方をする名称かもしれない。
汐留はその他湾岸エリアにくらべて
超高層オフィスの比率が高く超高層住居の比率が低い。
ビジネス街がピンポイントで存在し
汐留であることに一定度数以上の価値がみられる。
対してその他湾岸ではビルがピンポイントにそこに立地することに
それほど意味がみいだされないのかもしれない。


では湾岸という言葉にも意味がないことになるかといえば、
湾岸の超高層と同時期におなじような超高層住居がたてられた土地はほかにいくつもある。
湾岸とよばれなかった土地がある以上
湾岸であることに意味がないとはいえない。


ようやく冒頭のはなしにもどれた。
隅田川の河口部にでてはじめて超高層の存在にきづく。
川べりの聖路加ガーデンなんて川とセットの写真は見かけるけれど
陸地側から被写体にされたことがあっただろうか。
超高層ビルは湾岸の水辺があったときに映える存在で、
だから湾岸の超高層というカテゴリーが発生した。


そういえばかつて自分にとってのニューヨークのイメージは
ニューヨーク湾からみたWTCのシルエットだったなあ。