台地上の百々向川 2010年9月25日 スリバチフィールドワーク成増編

地形の凹凸などをたのしむ東京スリバチ学会成増のフィールドワークに参加した。
どうしても地形中心のはなしになるので、なにはともあれ地図は必要か。

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成増は、北を荒川の、南を多摩川の氾濫原の低地にはさまれて西から張り出した武蔵野台地のなかでは
北の端の荒川低地とのきわに位置する地域。
東京都心からは北西方向に15kmほど離れ、埼玉県境のすぐ手前にあたる。
道路では、東京と、成増よりさらに北西にある埼玉の川越とをむすぶ川越街道(国道254号線)が通り、
鉄道では、川越街道のルートを踏襲した東武東上線が通る。


川越街道は武蔵野台地のうえを荒川低地との境界線と並行してはしっている。
東武東上線は同じく武蔵野台地のうえを、川越街道より北側の、荒川低地との境界により近い位置ではしっている。


南東から北西にむかうこの主軸線に直交しておおよそ南西から北東方向には、
武蔵野台地を流れて荒川に合流する
前谷津川、百々向川、白子川といった小規模な河川が横切っている。


成増駅はこのうちでは百々向川の流域にふくめられる。
百々向川、ふつうは読めない地名だが、ここでは「ずずめきがわ」としておく。
成増駅から東武東上線の線路を東側にたどると
百々向川の川筋跡をこえるのに線路が高架になり、川筋跡の道路がその下をくぐる場所に出る。
東上線と百々向川の交差地点


東上線と百々向川の交差地点から南側にいって、
暗渠化された百々向川の流路。
百々向川の暗渠


台地のきわに近い東上線にくらべて、すこし奥まった位置の川越街道では
百々向川のつくる谷はなだらかになってくるが、
川越街道と百々向川の交差地点、歩道橋から
地上からの目線だと土地がくぼんでいるのが確認できる。
川越街道と百々向川の交差地点、地上から


そもそも川越街道を渡る歩道橋の足元の土地利用が釈然としない様子がいかにも暗渠っぽい。
百々向川の暗渠、川越街道を渡る歩道橋


百々向川の谷は武蔵野台地のさらに南側からつづいてくる。
ただし、戦後になって宅地化された周囲の町並みが
なだらかで浅い谷の地形をそれほど意識していないため、
武蔵野台地上の百々向川の谷は、地形趣味からすればモヤモヤとした印象になる。
武蔵野台地上の百々向川の谷